第2巻第9話では、シロさんとケンジが同居するきっかけがつづられています。
『きのう何食べた?』第2巻9ページより
ある日、大雨によってケンジの家が床上浸水に。家財道具一式が水につかり、住まいをなくしたケンジを誘ったことがきっかけで、二人の同居がはじまります。
実はこの大雨、実際に起こった出来事。この話は2008年発刊の「モーニング」8号に収録されていますが、2005年9月に起きた台風14号の被害がモデルとなっていると思われます。
特に東京都杉並区などでは1時間に100ミリ以上と東京都での観測史上としては最大の雨量が記録され、石神井川・妙正寺川・善福寺川・神田川では増水被害が出た。
平成17年台風第14号 - Wikipedia
・http://www2.city.suginami.tokyo.jp/library/file/tsg_suigai_tsk_4.pdf(PDFファイル)
こちらの資料によると、2005年9月4日の集中豪雨における床上浸水は1,201戸。
『きのう何食べた?』第2巻9ページより
資料14ページの浸水地域地図でも阿佐ヶ谷駅周辺が赤く塗られており、駅付近にあったケンジの家も床上浸水となってしまいました。
一方、シロさんの自宅は「うちんとこは大丈夫だったけど」と言っているように被害を免れています。これはシロさんの自宅が阿佐ヶ谷駅周辺にはなく、南阿佐ヶ谷駅周辺であり、この距離の違いが大きかったのが理由。
・http://www2.city.suginami.tokyo.jp/library/file/hazardmap_all_2704.pdf(PDFファイル)
杉並区がつくったハザードマップをみてもわかるように、阿佐ヶ谷駅周辺は浸水予想区域に指定されていますが、南阿佐ヶ谷駅周辺は色のついている区域が少なくなっています。
シロさんの自宅近くにあるという元彼女のパン屋さんも南阿佐ヶ谷にあり、シロさんが南阿佐ヶ谷在住であることはほぼ間違いなさそう。阿佐ヶ谷と南阿佐ヶ谷は徒歩圏内であることから、同じ生活圏であり、同じ生活圏だからこその災害における明暗と、同居に至る流れと言えそうです。
・http://www2.city.suginami.tokyo.jp/library/file/240411shinsuitaisakujigyou.pdf(PDFファイル)
ちなみに現在は阿佐ヶ谷駅を南北に走る中杉通りの地下に雨水貯留管などが完成し、大雨対策が進んでいるようです。