「きのう何食べた?」にはシロさんの食生活を支える登場人物がたくさんおりますが、そのうちでも重要なのが佳代子さん。
『きのう何食べた?』第1巻27ページより
シロさん唯一のメル友でもあります。今回はその佳代子さんの自宅を推定していきたいと思います。
1.シロさんと同じ生活圏
そもそもシロさんと佳代子さんが出会ったのはスーパーの前。
『きのう何食べた?』第1巻29ページより
スイカを買うか買うまいかで悩み、半分こをしたのがきっかけ。買い物先が一緒ということは、同じ生活圏であるということです。
2.南阿佐ヶ谷駅・阿佐ヶ谷駅から近い
『きのう何食べた?』第7巻45ページより
同様にジムのサウナで佳代子さんの夫と偶然会うシーンもあります。
『きのう何食べた?』第7巻44ページより
このジム、佳代子さんの夫にとっては「近所」で、シロさんにとっては「地元の駅」。シロさんにとって地元の駅は南阿佐ヶ谷駅か阿佐ヶ谷駅であるため、佳代子さんの家もそのあたりにあるはず。
3.近所にテニスクラブがある
佳代子さんの夫の趣味のひとつがテニス。
『きのう何食べた?』第5巻3ページより
『きのう何食べた?』第5巻6ページより
雨が降り、テニス仲間を自宅に招く程度に家が近いことになっています。
4.南阿佐ヶ谷駅・阿佐ヶ谷駅周辺にテニスクラブがない
ところが、検索する限り、南阿佐ヶ谷駅や阿佐ヶ谷駅周辺にテニスクラブは見当たりません。
かつてはあったのかもしれませんし、探せば実はあるのかもしれませんが、検索上は見つからない。不思議と南阿佐ヶ谷駅・阿佐ヶ谷駅周辺だけ抜け落ちています。
5.善福寺川沿いが怪しい?
先ほどの検索結果の地図を見る限り南阿佐ヶ谷駅・阿佐ヶ谷駅周辺は候補から外れます。また、高円寺駅・荻窪駅周辺にはテニスクラブが一応あるようですが、「きのう何食べた?」では高円寺や荻窪の描写がほとんど見当たらず、辻褄がいろいろと合わなくなります。
・ダンロップインドアテニススクール荻窪-(東京都杉並区上荻)
荻窪のほうは室内のようで、雨の描写とも合わない。
となると候補としては、南阿佐ヶ谷駅・阿佐ヶ谷駅より南側の善福寺川沿いにあるテニスクラブとなるわけですが、このあたりは永福町・西永福・浜田山の井の頭線の駅から近いように見えて、実は南阿佐ヶ谷駅とあまり距離が変わらないため、街の大きさと買い物の利便性、あるいは魅力的な価格などの条件のために南阿佐ヶ谷駅・阿佐ヶ谷駅で買い物をすることは珍しくなく、シロさんと同じ生活圏であったとしても矛盾はありません。
唯一、ジムのほうでの「近所」という情報だけが矛盾しますが、モデルの正確な位置などをぼかすために最小限の矛盾を混ぜるのは他の場所でも見られるので、少しだけ時空の歪みがあるという解釈でよろしいのでは。
6.建物は団地風
建物の外観は作品上に描かれています。
『きのう何食べた?』第3巻118ページより
見る限りよくある団地のようです。
『きのう何食べた?』第7巻56ページより
他のカットでは団地によくある建物の番号表示は左上にかすかに見えます。
また、いくつかの特徴があります。
ひとつめは建物手前側に窓があること。いわゆる角部屋ではその角に窓があるのはさほど珍しくないのですが、こと団地形態の場合は、部屋ごとの条件を均一化するため、窓の数や位置を揃えるのが普通で、あまりこういうタイプのものはありません。
『きのう何食べた?』第4巻114ページより
続いて渡り廊下があるというのも特徴。団地によくある二部屋ごとの階段方式ではなく、奥に見えるようなタワー型の階段というのも重要ポイント。
となるとシロさんの自宅近くにあった阿佐ヶ谷住宅ではなく、
テニスクラブがある善福寺川沿いから近い松ノ木住宅でもない。団地というよりは公営のアパート・マンションと考えたほうが良さそう。
7.正解は?
いろいろと実地調査をした結果、このあたりがモデルに近そう。
ここ。
逆アングルがこちら。
廊下とか階段の雰囲気が近く、こういう建物をモデルに描かれているのではないかと思います。住所とかは内緒。実際に住まわれているかたがいらっしゃいますので。
では今回はこの辺で。